Kurogane No Michi

東洋活性白土の蒸気機関車

新潟県の糸魚川にあった「東洋活性白土」は、地元で産出する白土を原料として、硫酸や塩酸などで活性化処理を行い吸着性能を高め、植物油や鉱物油の脱色・吸着・精製などの用途に用いられる「活性白土」を生産する工場でした。生産した製品を輸送するため、工場から約800m離れた国鉄糸魚川駅の側線にある積み替え所まで輸送していました。軌間は610mmの軽便鉄道で、昭和31年製造の協三工業製造の蒸気機関車が使用されていました。工場には許可を得れば入ることができ、途中の路線もちょっと変化に富んだ風景が楽しめました。(1979年5月撮影)

東洋活性白土

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東洋活性白土3 東洋活性白土4
東洋活性白土5 東洋活性白土6
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この機関車は銘版によれば1956年(昭和31年)の製造となっており、日本で実用となる鉄道のために最後に製造された機関車として有名でした。ただし、もともとは1951年(昭和26年)に見込み生産して納入先が無かった機関車を再整備して銘版を付けたものでした。その他に製造年・製造工場とも不明の機関車がありましたが、こちらは車庫の奥にあり撮影に失敗しました。工場内部は公害防止に力をいれていたため、非常に清潔で、花なども植えられていました。残念ながら1983年に工場が閉鎖され、鉄道も廃線になりました。その後糸魚川市内で保存されていましたが、2007年(平成19年)江戸東京博物館で開催された「大鉄道展」で展示されました。

羅須地人鉄道協会の基隆炭鉱鉄道の機関車

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軌間が610mmであることから、羅須地人鉄道協会が活動していました。こちらの機関車は台湾の基隆炭鉱で使用された機関車です。もとは炭鉱でドロドロになって稼働していましたが、うってかわって美しく整備されていました。

北陸本線

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専用線のすぐ隣には交流で電化した北陸本線が通っており、さまざまな列車が行き交っていました。写真は、北陸本線向けに導入された交流用電気機関車のEF70形で、1965年(昭和40年)に三菱電機によって製造されたものです。EF70形は、急勾配区間や長大編成にも対応できるよう設計された機関車で、北陸本線の主力として活躍しました。

むさしの村の同形機

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この機関車は小型で取り回しがよく、観光鉄道にも適していました。製造元の協三工業(福島県)は、小型の産業用・観光用機関車を専門に製造するメーカーで、東京ディズニーランドのウエスタンリバー鉄道に納入された蒸気機関車も手がけています。加須市の遊園地「むさしの村」では、同形機関車が2004年頃まで運行されていました。その後、栃木県那須烏山市にある「那珂川清流鉄道保存会」に引き取られ保存されています。(1993年および2016年撮影)

那珂川清流鉄道の同形機

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この機関車は、那珂川清流鉄道が協三工業に発注して2015年(平成27年)に製造されたものです。ただし軌間は762mmとなっています。新造された機関車ですが、残念ながら走行する予定はないそうです。(2016年撮影)

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