台湾10→C31機関車
10→C31機関車が導入された当初、台湾の鉄道は陸軍の台湾臨時鉄道隊によって管理・運営されました。陸軍は、清朝時代から引き継いだ機関車だけでは輸送力が不足するため、日本から機関車を持ち込みました。初期の機関車4輌は、のちの国鉄1100形系に準じた仕様で、小型ながら出力に余裕があり、営業列車の牽引だけでなく鉄道建設工事用としても使用できる、使い勝手の良い機関車でした。製造はナスミス・ウィルソン(Nasmyth, Wilson)社とベヤー・ピーコック(Beyer Peacock)社がそれぞれ2輌ずつ担当しており、外観上はシリンダー上部のランボード形状に差異が見られます。ナスミス・ウィルソン社製の2輌のうち1輌は1887年(明治20年)に製造された国鉄83号で、台湾総督府鉄道では13号となった機関車です。もう1輌は1894年(明治27年)の製造で、京都鉄道に納入された後、台湾で12号となったもので、ともに1896年(明治29年)に逓信省が調達し、台湾臨時鉄道隊に送られました。ベヤー・ピーコック社製の2輌は1892年(明治25年)に製造され、当初は東京市の淀橋浄水場建設工事に使用し、工事終了後にいったん国鉄167号・168号となり、1896年(明治29年)に鉄道局から台湾臨時鉄道隊へ送られ、台湾総督府鉄道で10号および11号となりました。11号~12号は1936年(昭和11年)に廃車となり、10号が1937年(昭和12年)の形式呼称変更でC31形となりました。13号は廃車後台湾製糖に譲渡され、新営糖廠7号として1971年(昭和46年)まで使用されたため、比較的多くの記録が残されています。
10→C31蒸気機関車 諸元
| シリンダ直径×行程(mm) | 330×457 | 全長(mm) | 7,060 |
|---|---|---|---|
| 缶圧力(kg/cm²) | 9.8 | 全幅(mm) | 2,235 |
| 火格子面積(m²) | 0.74 | 全高(mm) | 3,429 |
| 全伝熱面積(m²) | 46.08 | 缶中心線高(mm) | 1,702 |
| 機関車運転重量(t) | 21.01 | 動輪直径(mm) | 914 |
| 炭水車運転重量(t) | -- | 最大軸重(t) | 7.31 |
| 燃料搭載量(m³) | 0.74 | 動輪上重量(t) | 23.28 |
| 水槽容量(m³) | 2.05 | 軸配置 | 0-6-0T |