9600形蒸気機関車

国産初の本格的幹線貨物機関車で、鉄道省向けでは大正2年(1913年)から大正15年(1925年)に川崎、鉄道院小倉工場、汽車製造で770輌が製造されました。台湾総督府鉄道向けには800形として大正12年(1923年)から昭和14年(1939年)に日本車輌、日立、三菱で39輌が製造され、戦後は台湾鉄路管理局のDT580になりました。そのほかおもに北海道の炭砿鉄道を向けの自社発注機、樺太鉄道、樺太庁鉄道向けにも製造されました。樺太鉄道はのちに樺太庁鉄道に買収され、さらに樺太庁鉄道は鉄道省に編入され14輌が国鉄番号に追加されています。当初は箱根越えの補機用、後に標準貨物用機関車として四国を除く全国で使用されました。また250輌ほどが軍に供出され標準軌間に改軌の上、中国大陸に送られ戦後KD5形となりました。これら機関車はさらに1m軌間に改軌され雲南のメーターゲージ路線でKD55形として使用されました。日本では昭和51年(1976年)まで使用され、最後は追分機関区所属の3輌が国鉄最後の現役使用の蒸気機関車となりました。現在日本では真岡鉄道で1輌が圧搾空気で可動となるほか約42輌が静態保存されています。さらに台湾で1輌、中国でも3輌の保存機があります。
9600形 諸元
軸配置 | 2-8-0 | 動輪直径(mm) | 1,250 |
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機関車運転整備重量(t) | 60.35 | 軸重最大(t) | 13.41 |
炭水車運転整備重量(t) | 34.50 | 缶圧力(kg/cm²) | 13.00 |
全伝熱面積(m²) | 153.60 | シリンダ直径×行程(mm) | 508×610 |
火格子面積(m²) | 2.32 | 全長(mm) | 16,662 |
ボイラー水容量(m³) | 5.20 | 全高(mm) | 3,813 |
水タンク容量(m³) | 13.0 | 機関車長(mm) | 10,337 |
燃料搭載量(t) | 6.0 | 炭水車長(mm) | 6,325 |
動輪上重量(t) | 52.73 | 缶中心線高(mm) | 2,594 |